上値の重いドル円は欧州市場で112円23銭まで下落したが、NYでは原油高に反応し113円台を回復。資源国通貨が買われたことで、カナダ円などが上昇しドル円を押し上げた。

 ユーロドルは朝方1.09台半ばまで売られたが、そこから反発し1.10台半ばまで買い戻される。ECBの政策発表前に、ポジション調整もかなり進んだとの声も。

 株式市場は反発。原油が上昇したことからエネルギー株が買い戻された。ダウは36ドル高く、1万7000ドル台を1日で回復。

 株価の上昇に債券価格は反落。長期金利は再び1.87%台まで上昇。

 金は続落。原油価格はガソリン在庫が減少していたことから反発。引け値で38ドル台に乗せる。

 
ドル/円112.49 ~ 113.45

ユーロ/ドル1.0946 ~ 1.1035

ユーロ/円123.36 ~ 124.89

NYダウ  +36.26  → 17,000.36ドル

GOLD  -5.50 → 1,257.40ドル

WTI +1.79    → 38.29ドル

米10年国債 +0.047    → 1.876%
 

本日の注目イベント

中   中国2月消費者物価指数
中   中国2月生産者物価指数
独   独1月貿易収支
独   独1月経常収支
欧   ECB金融政策発表
欧     ドラギ・ECB総裁記者会見
米    新規失業保険申請件数
米   2月財政収支

 
 相変わらず原油価格の動向に左右させられる展開です。昨日の夕方には一時112円23銭あたりまで売られたドル円は、今朝は1円ほど反発しており、原油価格の上昇がセンチメントを一変させています。

WTI原油価格は週間在庫統計でガソリン在庫が453万バレル減少したことを好感し、先物が大幅に反発。前日比4.9%高い、38ドル29セントで取引を終えています。この水準は3カ月ぶりの水準で、エネルギー関連株の上昇につながり、これが市場全体の雰囲気を好転させました。

 長期金利も上昇し、ドル円は113円45銭近辺まで買い戻されています。また昨日は、資源国通貨が買い戻され、カナダ円や豪ドル円などのクロス円が上昇し、これも
ドル円を押し上げたと見られます。そのため、円は前日と打って変わって、ほぼ全面安の展開でした。110-115円のレンジ相場に入っている中、今週はさらにレンジが狭められ、112-114円程度の取引が続いています。

 ただし本日はECBの政策発表があるため、上記レンジに収まるかどうかは不透明です。ECBの政策発表は21時45分に行われ、その後ドラギ総裁の記者会見が予定さてれています。ドラギ総裁は昨年12月から政策変更の見直しが必要だと繰り返し述べてきました。さすがに今回は「ゼロ回答」はないと思いますが、注目はその変更内容です。現在マイナス0.3%の中銀預金金利をさらにマイナス幅を拡大させることや、市場からの債券購入額の増額などが見込まれています。

 一方では、ECB内部でもさらなる量的緩和に反対の立場を取る、ドイツ連銀やオランダ中銀などを説得する必要もあり、「それ程大胆な政策は取りにくい」といった見方もあります。先月26日に上海で行われた「G20]でも、金融政策で自国通貨安に誘導することへの批判的な議論もありました。ここはドラギ総裁がユーロ圏の景気回復とインフレ率を押上げることに専念できるか、注目されます。

 本日のECBの政策変更は来週に予定されている日銀とFRBの政策にも影響を与える可能性があります。ブル-ムバーグは「FOMCは後出しジャンケンへ」という見出しで、ECBと日銀の結果次第でFOMCでの金融政策も左右されるとの記事を掲載しています。先週末の雇用統計に見られたように、米労働市場は依然として拡大基調にあります。しかし、ドル高の影響から米国の輸出は減少傾向が続いており、ECBと日銀の政策変更がドル高につながるようなら「利上げを見送る」との観測も、それなりに説得力を持っているように思います。まずはトップバッターのECBの動きに注目したいと思います。

 本日のドル円は112円50銭~114円程度と、ややワイドに予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)