日本経営管理教育協会が見る中国 第401回--坂本晃(日本経営管理教育協会) 


■ 初めて人口減少の結果がでた

 総務省統計局は2016年2月26日(金)、5年に1度行われる国勢調査、2015年10月1日現在を調査対象とした人口速報集計結果を発表した。

 第1回の国勢調査は1920年(大正9年)に第1回の国勢調査が行われたが、第19回目なった2015年の調査で人口が初めて減少し、1億2711万人になった。

 国勢調査での人口ピークは前回調査2010年で1億2805万人であった。1980年調査までは、戦後1945年の減少を除いて年平均1%前後の増加をしていたのに、である。

 鬼頭宏著「図説人口に見る日本史」によると、日本の人口は大まかには弥生時代の西暦200年に59万人、鎌倉時代の1200年には600万人、江戸時代の1600年には1200万人、明治維新の1886年には3330万人だった。それから急増し、2008年1億2808万人のピークを迎えた。これからは2015年版高齢社会白書によると今から34年後の2050年には、9708万人と1億人を割り込み、さらに減少することがが見込まれている。

■ 世界の人口のなかで

 世界の人口を見てみよう。国連のまとめによると西暦元年には3億人、約500年前の西暦1500年には9.6億人、それ以降順調に増加して2005年には64.6億人、2050年には90.5億人と推計されている。

 前記2015年の日本の国勢調査報告に記載されている世界各国の2015年の人口では、世界全体で73.49億人、国別では中国の13.76億人がトップ、続いてインドが13.11億人、アメリカが3.22億人で、以下はインドネシア、ブラジル、パキスタン、ナイジェリア、バングラディッシュ、ロシア、日本1.27億人の順である。1億人以上でメキシコ、フィリッピンが続く。20位以内にEUで入っているのはドイツだけである。

 この順序を肌で感じておられる日本人は少ないかと思われる。私も調べてみて初めて知った次第で、通常話題になる国別の経済規模、DGPや一人当たりDGPの順序とはかなり異なる。

 人類全体が現在の先進国並の経済水準に達したとして、世界政府議会を構成する議員を人口割りで選出するのが民主社会とすれば、中国14人、インド13人、アメリカ3人、日本1名の割合になる。100年先に実現できるか人類の知恵の見せ所であろう。

■ 経済から見ると

 「金持ち喧嘩せず」という諺が日本にはあるが、個人が感じる豊かさにつながるのは、1人当たりDGPであろう。先進国といわれるのは1人当たりGDPが米ドル換算で3万米ドル以上とされている。

 ネットに掲載されている「世界経済のネタ帳2014」によると人口の多い順でいずれも米ドル換算で、中国が7571ドル、インドが1607ドル、アメリカが5万4411ドル、インドネシアは3524ドル、ブラジルは1万1572ドル、パキスタンは1325ドル、ナイジェリアは3300ドル、バングラディシュは1161ドル、ロシアは1万2717ドル、日本は3万6221ドルとかなり格差がある。

 ちなみに韓国は人口5022万人で、1人当たりGDPが2万7970ドル、北朝鮮は人口が2490万人で、1人当たりDGPは掲載がない。

 日本の雇用者報酬、つまりサラリーマンの全収入は、日本のDGPや内閣府による国民経済計算にもとづけば、2014年には251兆円で日本経済全体の約半分である。この数字は1990年以降、1997年の272兆円をピークに、2009年の243兆円を底にした範囲で推移している。

 日本のDGPの第2次大戦後の推移では、1956-73年の高度成長期には年間平均9.1%で成長。1974-90年の安定成長期には平均4.2%、1991-2013年は低成長期で、平均で0.9%で伸びた。

 簡単に言えば戦後の復興期は物がなかった時代で作れば売れた時代、技術革新による新製品が売れた時代もあったが、2011年3月11日東日本大震災で被災された家屋で見られたように、世界的にみれば日本全体が豊かな家庭で飽和しているとも言える。

 人口減少の時代に入り、数の上では内需が減少するのは当然で、経済全体を増加させるのは技術革新、とくに人間最後の欲望である古来からの不老長寿、健康長寿に関することであろう。(執筆者:日本経営管理教育協会・坂本晃 編集担当:如月隼人)