ドル円は上値が重く、株安、金利低下に反応し、112円42銭まで下落。円は主要通貨に対してほぼ全面高の展開。

 ユーロドルはECB理事会を控え、ポジション調整の動き。1.10割れでは買い戻しも入り、ユーロは底堅く推移。

 株式市場は反落。原油高が一服し、アジア株も下げたことで主要株価指数は下落。ダウは6日ぶりとなる109ドル安。

 債券相場は3日ぶりに大きく反発。株価が反落したことや、日本国債が買われたことも影響。長期金利は1.82%台まで低下。

 金は小幅に反落。原油価格はこのところの上昇に、利益確定の売りが優勢となり反落。

  
ドル/円112.42 ~ 113.09

ユーロ/ドル1.0993 ~ 1.1058

ユーロ/円123.85 ~ 124.71

NYダウ  -109.85  → 16,964.10ドル

GOLD  -1.10 → 1,262.90ドル

WTI -1.40    → 36.50ドル

米10年国債 -0.077 → 1.829%


本日の注目イベント

英   英1月鉱工業生産
加   カナダ中銀政策金利発表


 NYでは特にドル売り材料が出たわけではなかったものの、昨日のアジア市場で113円割れがあった流れを受け、上値の重い展開が続いています。日本株が下げ、中国の貿易収支が景気の減速を示唆し、さらにNYでは戻り基調だった原油価格も反落し、円が買われ易い状況だったことは否めません。ただ、先週から今週初めにかけては、上記市場はドル上昇をサポートしていながらもドル円が上昇できなかったのは、それ以外の要因もあるのではないかと思われます。

 テクニカル的には、115円が壁になっていることから、114円台半ばから上にはドル売り注文が入り安い状況です。今月は決算月ということもあり、海外で稼いだ資金が日本に戻されることも、それに輪をかけているのでしょう。

 また、120円割れからのドルの下落スピードが速かったことも挙げられます。111円割れまでの円の急騰は想定されていなかったことから、輸出予約の遅れも、ドルの戻りを抑制していると思われます。ドルが戻ったところは確実に売り注文を出してくるといった状況が想定されます。

 115円が重くなっているとはいえ、下値も今のところは限定的と見ています。110-115円のレンジはなかなか抜けそうもありません。112円から下では、外債投資のためのドル買い需要もありそうです。昨日の本邦債券市場では長期金利が一段と低下し、ついに日銀が導入したマイナス金利に並ぶ、マイナス0.1%まで下げました。運用難が続いている銀行などは金利が取れる長期債なども買い進めており、20年から40年の超長期債の金利も急低下しています。この動きは、融資先が限られている地方銀行にまで波及しているとの報道もあります。

 1月末のマイナス金利導入以来、国債の金利は急速に下がっており、その意味では日銀が意図したイールド・カーブ全体を引き下げるという目的は順調に進んでいますが、一方で株価の上昇と円安はいま一つです。黒田総裁も今週月曜日の講演では、現在はマイナス金利の影響を見極めている段階で、今後、株高と円安が進むとの見方を示しています。

 明日はECBの政策発表です。ここを皮切りに、日銀、FRBと重要会合が続きます。為替もこれらの会合を読みながら乱高下することも予想されます。足元では安定していた各市場が、重要会合前にも関わらず再び変化を見せ始めたことが気になります。「G20」や中国の「全人代」などで、ある程度の政策出動も打ち出されたことで、1月末から2月中旬に見られたような大混乱はないとは思いますが、ここは再び慎重にならざるを得ません。

 ドル円のレンジは111円90銭から113円10銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)