日本経営管理教育協会が見る中国 第400回--大森啓司(日本経営管理教育協会) 

 このコラムも遂に400回となった。この400回という名誉ある節目に書かせて頂けることを筆者として光栄に思う。さて、今年も旧正月にはたくさんの中国人が日本に訪問した。今回は、爆買いに代表される中国人の最近の購買動向の変化と今後について洞察してみたい。

1.好調な訪日観光ビジネス。

 2016年の訪日観光ビジネスが好調なスタートだ。日本政府観光局が16日発表した1月の訪日客数(推計値)は前年同月比52%増の185万1000人。単月で過去2番目の高水準だ。最大の押し上げ要因が中国からの訪日客。中国株・人民元安の逆風下にもかかわらず同2.1倍の47万5000人に増えた。日本の春節(旧正月)商戦も盛り上がった(連休は、7-13日)。

 1月の訪日客数は単月で15年7月の過去最高(191万8000人)に次ぐ水準のようだ。ここ数年続いた円安傾向や、これまでのビザ発給要件の緩和などが、引き続き訪日客の増加につながっている。

 国別では、中国は韓国に次いで2位。春節に関連した学校休暇の始まりが昨年より約1週間前倒しの1月20日ごろからとなり、家族旅行が増加したとの日本政府の見解である。

 2月もこの勢いは続いている。1月の客数を単純に12カ月分の年間に換算すると約2200万人。「20年に訪日客2000万人」との政府目標の達成はもう眼の前のような様相である。

2.見逃せない中国の不安要素

 ただ、不安材料も見過ごす事はできない。中国株や人民元の相場が不安定になり、原油安の進行で資源国経済への懸念が強まっている。その結果としてアジア地域の景気減速につながるなどして訪日客数が伸び悩む可能性が潜んでいることである。

3.試される爆買いの次のしかけ

 一方で、家電などの“爆買い”の勢いは影を潜めつつあるとの見方もある。2-3年前は「1人で炊飯器を何個も買う」風潮があったが、最近は、女性は高級化粧品や美顔機器、男性は高級腕時計が中心であり、中国人の生活水準が成熟化に向っている事は間違いない。

 加えて日本でも買い物に際しての利便性へのニーズも高まってくる。名古屋では旅行客が市内で買った免税品を中部国際空港で一度に受け取れる「手ぶら観光サービス」の実証実験が始まる。ヤマト運輸が個人ごとにまとめて運ぶサービスで、早ければ2017年度から開始する。

 観光先も、京都や富士山といった日本の代表的な観光地を巡るのではなく、北京や上海では身近いに味わえない田園風景を楽しむ、木のぬくもりを肌で感じるといった体験型旅行を楽しむ人が増えている。

 先日、北海道・札幌で見かけたのが中国人をターゲットにした「カラオケ店」店内は、相撲や富士山などの日本色を全面に打ち出した店ができていた。

 新たなニーズを先取りし、年間2000万人を1日でも早く凌駕して、日中友好が深まる事を心から祈っている。

 「爆買い」もそろそろ終焉を迎えてきたと感じるのは私だけなのだろうか?(執筆者:日本経営管理教育協会・大森啓司 編集担当:如月隼人)