■中国人が日本に好印象を持つ傾向が高まっている

 特定非営利活動法人「言論NPO」と中外文局(中国国債出版集団)が発表した第11回日中共同世論調査によると、「相手国に対する印象」を「良くない」と答えた人の割合が日本は88.8%で、中国側は78.3%となり、昨年より8.5ポイント減少したことが分かった。調査によると、中国人の間で「日本人は礼儀があり、マナーを重んじ、民度が高い」という回答が4.4%増え57.0%になったという。中国人が日本に好印象を持つ傾向が強まり、日本に渡航した際に、その風景や経験したことなどがスマートフォンなどを通して広まっていると見受けられる。

■昨年の流行語大賞に「中国人の爆買い」がトップになった

 昨年の世相を映した言葉を選ぶ「2015ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が、発表されたが、“年間大賞”には、訪日外国人が家電製品などを大量に購入する「爆買い」が選ばれた。昨年日本を訪れた中国人は年間で約240万9200人と言われている。

 これは、韓国、台湾からの訪日客に次ぐ数字であり、中国政府が反日を煽っているのに前年比83%も増えているということである。関係者によると、「このぶんだと、今年は300万人を突破するのではないか?」と言われている。中国人の訪日理由には大きく分けて2つあると考えられている。その1つは「純粋に日本の自然や歴史・文化に触れたい」という観光目的であり、もう1つは衆知のとおり、「爆買い」と言われているショッピングを目当てとするものである。

■考えられる「爆買い」の三つの理由

 中国人が「爆買い」に走るのには三つの理由があると考えられる。一つには「日本製=絶対に良いもの」、「中国製=まず間違いなく粗悪品」と思っている節が見受けられる。

 もう一つの重要な理由は「親戚・友人へのお土産」である。中国は人と人のつながりが大事な社会で、何かをする場合、人間関係がものを言うときが多いという。親戚付き合いを重視する文化も根付いており、旅行に行けば、大量のお土産を買って、春節や親戚が集まるイベントに配布すると言われている。
 三つ目の理由は「転売」である。商売上手な中国人としては、始めから転売を目的として、家族や親戚以外の人の手に渡すつもりで大量買いをするケースもあるに違いないと思われる。

■中日友好の基礎は民間にあり!

 こうした傾向に対して否定的な傾向のコメントも中国のネット上で見受けられる。例えば「世界はこんなに大きいのに、どうして日本に行く必要があるのか?」「骨なしの奴らが好んで日本に行くのだ」「日本人は口では甘いことを言っておきながら、心に剣を隠し持っている。彼らが礼儀正しいのは表面上のことだ。彼らは表面上はニコニコしているが内心では中国人を馬鹿にしているに違いない」などであるが、このような考えは日本人と接したことがなく、また日本に行ったことがない人たちだと思われる。

 中国では今なお歴史問題などを理由に、「日本人は残酷な民族である」などとする誤解が存在する。だが、旅行を通じて日本人と接し、日本の実際をみることでこうした誤解が解ければ日中関係の改善にも繋がるであろう。習近平主席は昨年人民大会堂開かれた中日友好交流会での講話の中で「中日友好の基礎は民間にあり、中日関係の前途は両国人民に委ねられている」と述べ、民間交流を発展させていく重要性を説いた。

  写真は東京銀座家電店での爆買いの様子。(執筆者:水野隆張・日本経営管理教育協会営業部長 編集担当:大平祥雲)