巴工業 <6309> は遠心分離機械や化学工業製品を主力としている。油井関連市況の悪化や中国の景気減速など事業環境が急速に悪化して16年10月期減益予想だが、3%近辺の配当利回りや0.6倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが、調整が一巡して出直り展開だろう。

■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開

 遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱として、中国・深せんではコンパウンド加工事業も展開している。

 13年11月には、中国の連結子会社・星科工程塑料に対するテクノポリマーおよび日本カラリングの出資持分をすべて譲り受け、両社との資本・業務提携を解消して当社主導で収益立て直しを進めている。

 15年12月には100%出資子会社TOMOE Trading(Thailand)の設立を発表した。タイにおける商社活動を目的として16年4月頃の営業開始を予定している。

■15年10月期は減収、営業増益、経常増益、最終減益

 15年10月期連結業績は、売上高が14年10月期比3.3%減の393億54百万円で、営業利益が同8.9%増の13億87百万円、経常利益が同4.5%増の17億03百万円、純利益が同6.7%減の10億28百万円だった。

 機械製造販売事業における機械および装置・工事の販売減少、化学工業製品販売事業における国内合成樹脂分野の販売減少などで減収だったが、機械製造販売事業における収益性の高い部品・修理の販売伸長などで営業増益だった。

 売上総利益率は19.9%で同1.1ポイント上昇、販管費比率は16.3%で同0.7ポイント上昇した。営業外収益では受取配当金が同96百万円減少したが、為替差益が同79百万円増加した。特別利益では投資有価証券売却益58百万円を計上したが、14年10月期経常の負ののれん発生益1億45百万円が一巡した。特別損失では減損損失1億20百万円を計上した。ROEは4.2%で同0.5ポイント低下、自己資本比率は73.4%で同2.6ポイント上昇した。配当性向は43.7%だった。

 セグメント別にみると、機械製造販売事業は売上高が同7.6%減の94億28百万円で、営業利益が同75.6%増の2億77百万円だった。収益性の高い部品・修理の販売伸長で営業損益が改善した。化学工業製品販売事業は売上高が同1.9%減の299億25百万円、営業利益が同0.5%減の11億10百万円だった。国内合成樹脂分野の販売減少に、中国・深せんのコンパウンド事業の販売数量減少による採算悪化も影響した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(11月~1月)95億72百万円、第2四半期(2月~4月)105億14百万円、第3四半期(5月~7月)88億37百万円、第4四半期(8月~10月)104億31百万円で、営業利益は第1四半期2億87百万円、第2四半期6億47百万円、第3四半期2億54百万円の赤字、第4四半期7億07百万円だった。第3四半期は売上減速に伴って営業損益が悪化した。

■16年10月期増収減益予想

 今期(16年10月期)通期の連結業績予想(12月9日公表)は、売上高が前期比6.2%増の418億円、営業利益が同4.9%減の13億20百万円、経常利益が同21.9%減の13億30百万円、純利益が同35.8%減の6億60百万円としている。為替差益や特別損益を見込まず増収減益予想だ。配当予想は前期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)としている。予想配当性向は68.0%となる。

 セグメント別には、機械製造販売事業は売上高が同16.3%増の109億70百万円、営業利益が同11.9%増の3億10百万円としている。海外では北南米油井向け販売が減少するが、アジア市場での建て直しを図る。国内では官需向け低動力型遠心分離機の拡販を推進するとともに、化学・食品・医薬業界を中心とする民需向けの販売増を見込んでいる。

 化学工業製品販売事業は売上高が同3.0%増の308億30百万円、営業利益が同9.0%減の10億10百万円としている。国内の機能材料分野の黒鉛製品や香港の樹脂原料・製品の販売伸長、中国・深せんコンパウンド事業の業績回復を見込むが、国内および中国・深せんコンパウンド事業における販管費増加の影響で減益見込みとしている。

■中期経営計画で16年10月期ROE6.3%目標

 13年12月策定の中期経営計画「Target2016」では、経営目標値として16年10月の期売上高475億円、営業利益25億80百万円、経常利益26億円、純利益16億円、ROE6.3%、ROA4.4%を掲げている。

 重点戦略としては、北米市場、南米市場、東南アジア市場を中心とする海外売上高の拡大に加えて、機械事業ではエネルギー分野への参入、化学品事業では二次電池やパワー半導体向け商材の開拓に取り組む方針だ。

 油井関連市況の急速な悪化や中国の景気減速など、事業環境が急速に悪化して16年10月期の目標達成は難しくなったが、次期中期経営計画では収益改善策を期待したい。

■株主優待はワインを贈呈

 株主優待制度については、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。

■株価は地合い悪化の影響を受けたが調整一巡

 株価の動きを見ると、地合い悪化も影響して水準を切り下げ、1月21日には昨年来安値となる1410円まで調整した。ただし13年9月と10月の安値1405円に接近して調整の最終局面だろう。

 1月25日の終値1443円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円14銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は3.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2525円47銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約152億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、安値圏の下ヒゲで調整一巡感を強めている。3%近辺の配当利回りや0.6倍近辺の低PBRと指標面の割安感は強い。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)