中国で金融市場が不安定となっている。1月4日、7日の両日に上海総合指数はともに7%も下落し、株価の急変動を防止することを目的としていたサーキットブレーカーが発動、取引が終日中止に追い込まれた。

 中国政府・証券監督管理委員会(証監会)は7日夜に「サーキットブレーカー」制度をいったん取りやめると発表したが、中国株式市場が落ち着きを取り戻せるかどうかは不透明な状況だ。

 中国発で世界同時株安が起きたことに対し、香港メディアの鳳凰網は8日、世界的に著名な投資家であるジョージ・ソロス氏がこのほど、「世界の金融市場は危機に直面している」と指摘したことを伝え、現在の環境は世界金融危機が起きた2008年に似ていると述べたと報じた。

 2016年の株式市場は世界的に急落から始まった。記事は、1月6日までに世界の株式市場で約2兆5000億ドル(約293兆円)が蒸発した計算になることを指摘し、中国株の急落によってアジアの株式市場では下落幅が拡大する場面が見られたと伝えた。

 続けて、ソロス氏がスリランカで開かれた経済フォーラムにおいて、中国は新しい成長モデルの模索に苦労していると指摘したうえで、現在の状況は「危機」と呼ぶにふさわしく、08年の金融危機を思い起こさせると述べたことを紹介した。

 08年の世界金融危機の際は中国が4兆元(約71兆円)にのぼる内需拡大策を打ち出したことで、世界は危機を乗り越えることができたと言われる。しかし、中国の内需拡大策は生産能力の過剰や不動産バブル、シャドーバンキングなどの問題も生み出した。中国国内の諸問題は経済成長によって覆い隠されてきたが、経済成長の鈍化に伴ってさまざまな問題が顕在化しつつある。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)