ドル円は119円を挟んでもみ合い。中東の地政学的リスクや株価が意識されたが、118円台半ばを試すには至らず119円前後で引ける。

 ユーロ圏のCPIが予想に届かなかったことを受け、ユーロ売りが強まりユーロドルは1.0711まで下落。ユーロ円も約8ヶ月ぶりに127円台半ばまでユーロ安が進行。

 株式市場はまちまち。原油価格が下落したことから売りが優勢だったが、ダウは引けにかけてプラスに。ナスダックは11ポイント続落。

 債券相場は大きな値動はなかったものの、やや売り物に押され軟調。10年債利回りは2.24%台へと小幅に上昇。

 金は続伸し1078ドル台に。原油価格は続落し、2週間ぶりに35ドル台に。明日の在庫統計で、在庫が増加していることへの警戒感が台頭。

ドル/円118.84 ~ 119.27

ユーロ/ドル1.0711~ 1.0758

ユーロ/円127.51 ~ 128.13

NYダウ +9.72 → 17,158.66ドル

GOLD  +3.20 → 1,078.40ドル

WTI  -0.79   → 35.97ドル

米10年国債  +0.012  → 2.249%

 
本日の注目イベント

中   中国12月財新サービス業PMI
中   中国12月財新コンポジットPMI
欧   ユーロ圏12月製造業PMI(改定値)
欧   ユーロ圏12月サービス業PMI(改定値)
欧   ユーロ圏11月生産者物価指数
米   12月ADP雇用者数
米   11月貿易収支
米   12月ISM非製造業景況指数
米   FOMC議事録(12月15、16日分)


 前日のNYで118円70銭まで急落したドル円は、昨日は日本株や、中国の株価対策の発表などを受け買戻しが優勢となり、119円70銭まで値を戻しましたが、その後欧州では再び118円台後半まで押し戻され、なかなか浮上のきっかけがつかめない展開です。これまでの強力なサポートであった120円が、今度はレジスタンスとして機能していることが意識されます。

 ユーロ円が昨年4月以来の127円台半ばまで下落が進んで来ました。昨日発表されたユーロ圏の12月の消費者物価指数が「+0.2%」と、市場予想に届かなかったことから、さらなる追加緩和観測が高まり、ユーロ売りが強まった結果です。2016年には4回程度の利上げが見込まれている米国との金融政策の方向性が改めて意識されたもので、ドル買いユーロ売りが活発になり、ユーロドルは下落。一方ドル円では、地政学的リスクの拡大や、不安定な株価の動きから、安全通貨の円が買われ易い地合いから、ドル売り円買いが優勢となっていることが背景です。

 ユーロ円は既に「週足」でも雲を下抜けしており、現在は「120週線」にサポートされている状況です。ここを明確に割り込むようだと、昨年4月14日に記録した126円08銭の水準が意識され、125円の大台も視野に入ってきます。ECBが昨年12月に追加緩和策を発表し、資産購入プログラムを2017年3月まで延長し、中銀預金金利をマイナス0.3%に引き下げましたが、この内容が「予想外に小粒」だったことから、急激にユーロを買い戻す動きが活発になり、ユーロドルは1.10近辺まで急反発した経緯があります。再び追加緩和観測が強まってくれば、ユーロドルも、ユーロ円も下値を試す展開が予想されます。ユーロ圏の経済指標と、ECB要人の発言には注意が必要です。

 ドル円は上値が徐々に重くなっているのは事実ですが、118円台半ばもサポートを形成しつつあります。不安定な株価と中東の混乱、さらには不透明な中国景気など、円が買われ易い環境にあります。
 今週は週末に雇用統計があり、ここで、米雇用市場の順調な拡大が確認されれば、市場のセンチメントも一変する可能性もあると見ていますが、雇用の拡大にブレイキが掛かっているようだと、118円を割り込み115円を目指すことがないとも言えません。そうなると、2016年4回程度の利上げというシナリオが大きく修正されることになるからです。

 本日は引き続き、日本、中国の株価の動きがポイントになります。NY株式市場がやや下げ止まりの気配を見せていることから、反発することも考えられますが、それでも東京時間のドル円は119円半ば超えが一杯でしょう。大きな動きはNYのADP雇用者数を確認してからということになります。予想レンジは118円50銭~119円80銭程度とみます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)