中国の勃興にともない、世界情勢が大きく変わりつつある。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が2015年末に正式に発足したが、米国と日本はいまだ加入していない。

 日米はなぜAIIBに参加しなかったのか、香港メディアの鳳凰網はこのほど、日本がAIIBに参加しない理由についての有識者の見解を紹介した。

 世界第3位の経済大国である日本が中国主導のAIIBに参加するかしないかは、世界の勢力図の変化に大きな影響をもたらす。記事は、世界の中心が米国から中国に変わりつつあるとしたうえで、「日本はなぜAIIBに参加しないのか」と質問を提起した。さらに、この疑問に対して政治上の観点から中国の有識者の見解として、「もし米国がAIIBに参加すれば、中国を中心とした巨大な経済圏を構築しようとする中国の一帯一路計画を促進することになる」と指摘。それは中国が国家としてより大きな力を持つことを手助けするものであり、米国が政治的な理由でAIIBに参加しない以上、日本も参加することはできないのだと論じた。

 この有識者のコメントの要点は、日本がAIIBに参加しない政治的な理由はあくまでも米国にあるのであって、日本はただ米国の顔色を見ているに過ぎないということだ。一方で記事は、別の有識者の見解として、中国人はどのような劣勢でも切り抜ける力があると主張し、中国経済の将来はまったく悲観する必要はなく、中国経済の先行きがどうなろうとAIIBが失敗することはないとの見方を示した。さらに、日本にはTPPという後ろ盾があるものの、このまま参加しないならば「AIIBの成功を指をくわえて見ながら、参加しなかったことを後悔することになるだろう」と論じた。

 仮に経済的なメリットがあったとしても、現在の米国と日本の関係上、日本が米国を差し置いてAIIBに参加することはないだろう。しかしある日突然米国が日本より先にAIIBに参加することはあり得る。そのとき日本が続いてAIIBに参加しても、果たして経済的なメリットを享受できる余地は残されているだろうか。将来の世界情勢を見通し、中国の上回る知恵が日本に求められている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)