中国人旅行客による爆買いは、中国人消費者にとって日本製品が中国製品よりも魅力的であることを示す事例と言える。なぜ日本製品は中国人にとってそれほど魅力的なのだろうか。

 中国メディアのIT時代網は27日、日本製造業に存在しながらも中国製造業には存在しない特質は「ものづくり精神」であると分析する記事を掲載した。同記事で注目すべきは、ものづくり精神と金儲け精神が相容れないものであることを強調している点だ。
 
 記事は中国製造業に広く見られる特質として「金儲け精神」を取り上げ、中国人はある事業を始めて小さな成功を収めたらすぐに事業を多元化すると指摘し、その目的は「できるだけ速く大きくお金を稼ぐ」ことだと論じた。このようにお金儲けに没頭するなら本業の質を向上させることはできず、人を引き付ける製品を開発することは永遠にできないと分析した。

 では日本製造業に見られるものづくり精神とは一体何だろうか。この精神は愛の対象がお金ではなく仕事そのものであると記事は指摘している。

 例えば日本のあるナット製造会社の創業者は緩み止め効果のあるナット開発に力を注ぎ込み、世界中で採用されるという日の目を見るまでに20年もの歳月を費やしたことを紹介、ナット開発の本業をなんとしてでも続けるために掛け持ちで仕事をしていた時期もあることに言及している。本業の質を向上させる点において確かに中国企業とは鋭い対照をなしている。

 さらに記事は日本の映画「おくりびと」に言及、納棺師が亡くなった人びとに美しく化粧を施せるのは、高度な技術もあるが「それにもまして遺体に対する思いと心、つまり愛情が深く関係していること」を紹介。記事はこれらの例を通して、日中の製品やサービスのクオリティの差は技術によるものではなく、むしろ仕事に対する愛にあることを理解したと述べている。

 中国は原発、潜水艇、人工衛星、高速鉄道などの最先端科学の分野で著しい成長を遂げたが、現段階で家電製品をはじめとする「メード・イン・チャイナ」には人を引き付ける魅力はあまりない。それはつまり、技術力はあっても製品に対する愛、仕事そのものに対する愛が欠けていることを表しているのではないだろうか。人を引き付ける商品をじっくり開発していく点で、金儲け精神はむしろ弊害をもたらすとすら言えるかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)