中国の自動車市場が減速する一方で、合弁ブランドとしては日系車だけが好調な販売を保っているのはなぜだろうか。中国には今なお反日感情が根強く残っていると思っている日本人も少なくないだろうが、日系車が売れていることは事実だ。

 中国でも日系車を購入する消費者が数多く存在することを快く思っていない人はいるようだが、中国メディアの捜狐は「日系車の販売が好調であることは、中国人に愛国心がないことを示すのだろうか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日系車の好調な販売に対し、「まったく愛国心がない」と嘆く中国人も少なくないとし、「日系車を購入するくらいならば自主ブランド車を購入すべき」と主張する人もいると紹介。一方で、現代の中国においては人びとは「感情」で消費するのではなく、自分自身が気に入った自動車を購入しているとし、「だからこそ経済的な自動車が売れるのだ」と論じた。

 続けて、2015年11月の中国におけるトヨタ、日産、ホンダ、マツダなど日系車の販売台数は、いずれも前年同月比で10-30%も伸びたと紹介。こうした販売の伸びの背景には中国政府の減税措置のほか、日系メーカーが積極的な販促を行ったことが関係していると論じた。

 販促活動によって販売台数を大きく伸ばせたのは、家庭用として自動車を購入している消費者にとって「コストパフォーマンスが高まった」ことの証であり、日系車の実力の証であると指摘。また、日系車を購入することは「愛国心がない」ことを意味するものではなく、それだけ大多数の中国人消費者にとって魅力的であることを示していると論じた。

 好景気で市場が好調であるときは、どのようなものも売れ行きはそれなりに好調であろうが、市場が低迷していても販売が好調なものこそ、本当の意味で消費者に支持されていると考えることができる。中国経済が減速し、自動車市場の成長も鈍化しているなかで、日系車の販売が好調であることは、日系車の競争力が本物である証といえるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Pak To Tam/123RF.COM)