中国で不動産バブルが起きていると言われるようになって久しい。不動産バブルの存在を認め、バブル崩壊を懸念する論調は中国国内においても増えつつある。

 中国メディアの金融界によれば、上海市内でこのほど金融関連のフォーラムが開催され、中国人民大学経済学院の陶然教授が「中国の不動産バブルが崩壊すれば、日本のバブル崩壊より深刻な影響が出る恐れがある」と述べた。

 2008年に世界金融危機が起きた際、中国政府は総額4兆元(約77兆円)もの大型景気刺激策を打ち出した。中国経済が世界金融危機の影響を軽減したことは事実だが、陶然教授は「4兆元の投資の一部が土地や不動産などの投機資金として流入し、バブル化が加速した」との見方を示した。

 さらに、日本のバブルと中国のバブルの大きな違いは「中国政府や地方政府の投資が不動産バブルを加速させ、製造業における生産能力の過剰を招いた点」との見方を示した。中国政府が意図的にバブルを引き起こしたわけではないものの、中国のバブルはいわば「官製バブル」であると見方だ。

 中国の一大産業である製造業では生産能力の過剰という問題を抱え、世界経済の回復にも遅れが見られるなか、なぜ今なお中国の各地では都市建設が進んでいるのだろうか。記事は、地方政府におけるモラルハザードの存在を指摘し、「中央政府が投資と内需の刺激を奨励している以上、地方政府は債務を返済できる見込みがなくても地下鉄や道路などのインフラや都市建設を進めている」と主張。また、仮に地方政府が債務を返済できないとしても、中央政府が必ず助けてくれると認識している可能性があることも大きな問題だ。(編集担当:村山健二)