中国メディアの新浪専欄は24日、北京大学国家発展研究院の周其仁院長による手記を掲載し、中国の製造業にとっての最大の強みは他国に比べての「コスト優位」にあったとする一方、「これだけ早い段階で強みが失われるとは思っていなかった」と伝え、コスト優位を失った中国の製造業は今後、何をもとに発展していけば良いのかと疑問を投げかけた。

 記事は、中国経済はこれまで、他国と比較して人件費などが安いというメリットを活かし、外国資本を導入したうえで経済成長につなげてきたと紹介する一方、中国のコスト優位は近年、急速に失われていると指摘した。

 続けて、中国が成長の原動力としてきたコスト優位がこれほどまで早くに失われるとは想像もしていなかったと主張。また、米国のコンサルティングファーム「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」がまとめた報告書を引用し、同一の製品を製造する場合、米国での製造コストを100とすると、中国の水準は96に達すると紹介し、もはや米中両国間の製造業において明確なコスト差は見いだせない状況にあることを伝えた。

 さらに記事は、中国国内の製造業にとって、コストが上昇するということは製品価格が上昇することを意味するとし、中国製品の価格が上昇すれば、世界の市場にも大きな変化が訪れるだろうと指摘した。また、米アップルのスマートフォンは非常に高額だが、それでも世界で売れるのは他のスマートフォンに対する明確な比較優位があるためと指摘したうえで、中国の製造業にはコスト以外の比較優位が存在しないのが現状だと論じた。

 続けて、中国製品の「安さ」という強みが急速に失われていくなかで、米国の製造業は独創性という大きな強みのほか、中国と同等のコストで製品を作れるようになっていると指摘し、「中国は今後一体、米国とどうやって競争すれば良いのか」と危機感を示した。(編集担当:村山健二)(写真は新浪専欄の24日付報道の画面キャプチャ)