ワークマン <7564> (JQS)はワーキングウェア・作業用品専門店チェーンをFC中心に全国展開している。株価は上場来高値更新の展開で、7月21日には8910円まで急伸した。その後は過熱感を強めて利益確定売りが一旦優勢になったが、16年3月期も増収増益基調であり、中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。なお7月31日に第1四半期(4月~6月)の業績発表を予定している。

■ワーキングウェア・作業用品の専門店チェーン

  ワーキングウェア・作業用品の大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴として「エブリデー・ロー・プライス」戦略を推進し、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の開発・拡販、販売分析データの活用や単品管理プロジェクトの推進、より緻密な品揃えと地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。PB商品については売上構成比30%達成を目指している。

  15年3月期末の店舗数は42都道府県下に、FC店(加盟店A契約店舗)が14年3月期末比23店舗増加の641店舗、直営店(加盟店B契約店舗およびトレーニングストア)が同4店舗減の108店舗、合計が同19店舗増加の749店舗である。FC比率は同0.9ポイント上昇して85.6%となった。なお14年11月に北海道、15年3月に熊本県に初出店した。

  ドミナントエリアの強化、出店エリアの拡大、既存店のスクラップ&ビルド(S&B)および不採算店舗の閉鎖、年商1億円店舗の拡大などを推進し、人口10万人に1店舗として中期的には25年に全国1000店舗を目指している。

  15年4月には、群馬県伊勢崎市に床面積1万坪の流通センターを新設するため、群馬県と用地売買予約契約に調印した。既存の伊勢崎流通センター(床面積7140坪)がフル稼働状態のため、近接地に新伊勢崎流通センターを建設(総投資額38億円程度、17年2月完成予定)し、東日本の伊勢崎流通センター(新旧2センターの一体運営)と西日本の竜王流通センター(滋賀県、13年稼働、床面積7180坪)の2拠点で、全国の店舗への物流をカバーする方針だ。

■16年3月期も増収増益基調

  なお15年3月期の四半期別の推移を見ると、チェーン全店売上高は第1四半期(4月~6月)173億65百万円、第2四半期(7月~9月)148億67百万円、第3四半期(10月~12月)218億27百万円、第4四半期(1月~3月)151億26百万円、営業総収入は第1四半期125億22百万円、第2四半期105億20百万円、第3四半期150億63百万円、第4四半期103億21百万円、そして営業利益は第1四半期20億83百万円、第2四半期13億88百万円、第3四半期32億37百万円、第4四半期16億31百万円だった。

  また15年3月期の配当性向は30.2%だった。利益配分の基本方針では配当性向30%を目途としている。ROEは14年3月期比0.8ポイント低下して14.0%、自己資本比率は同2.3ポイント上昇して77.5%だった。

  今期(16年3月期)の非連結業績予想(4月30日公表)はチェーン全店売上高が前期比4.5%増の723億30百万円、営業総収入が同3.8%増の502億40百万円、営業利益が同4.9%増の87億40百万円、経常利益が同4.6%増の99億円、純利益が同7.6%増の63億20百万円としている。5期連続の最高益更新見込みだ。配当予想は前期と同額の年間87円(期末一括)で予想配当性向は28.1%となる。

  店舗展開は南関東・近畿地方を中心に新規出店25店舗、S&B3店舗、閉店1店舗で、期末合計店舗数は同24店舗増加の773店舗、既存店売上高は103.0%(客数101.0%前後、客単価102.0%前後)、PB商品売上高は150億円、PB商品売上構成比は同4.0ポイント上昇の20.7%の計画としている。新規出店はドミナントエリアの構築で関東・近畿地方への出店を強化する。

  消費増税や天候不順の影響一巡、新規出店、競争力のあるPB商品の強化などで増収増益予想だ。PB商品売上構成比上昇による売上総利益率上昇なども寄与する。

  月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、15年6月は全店96.9%、既存店96.1%だった。気温上昇が長続きせず涼しい日が多かったため夏物衣料が前年を下回った。なお6月の新規出店はなく6月末の店舗数は750店舗だった。

  6月の既存店売上高は前年割れだったが、15年4月~6月累計で見ると全店104.4%、既存店103.3%と計画を上回る水準で推移している。また既存店客単価も4月106.8%、5月106.6%、6月104.5%と上昇基調だ。16年3月期も増収増益基調だろう。

■中期的な収益拡大シナリオに変化なし

  14年9月には、16年3月期から実施する「中期業態改革ビジョン」の中で、アベノミクス法人減税が実現して業績も増収増益が続けば、在籍社員の年収を現在の約600万円(平均年齢36.4歳)から5年を目途に約100万円引き上げる目標を織り込んだと公表している。小売企業の中でトップクラスの待遇や女性社員が第一線で働きやすい環境を作り、社員のモチベーション向上と業績拡大につなげる方針だ。

  テレビCM放映効果による知名度向上、積極的な新規出店、出店エリアの拡大、ドミナント出店の強化、PB商品力の強化、PB商品売上構成比上昇による粗利益率改善、アルゴリズム自動選択型需要予測機能を持つ自社開発の発注システムによる発注作業の効率化などの効果で、中期的な収益拡大シナリオに変化はないだろう。

■株価は上場来高値更新の展開

  株価の動きを見ると上場来高値更新の展開だ。7000円近辺での短期モミ合いから上放れて7月21日の上場来高値8910円まで急伸した。その後は目先的な過熱感を強めたこともあり、利益確定売りが一旦優勢になったが、中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。

  7月27日の終値8050円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS309円97銭で算出)は26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間87円で算出)は1.1%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2158円71銭で算出)は3.7倍近辺である。

  日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率がやや縮小して目先的な過熱感が解消した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって中段保ち合いから上放れた形であり、強基調を継続している。16年3月期も増収増益基調であり、中期成長力を評価する流れに変化はなく上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)