台湾メディアの中央社や商業週報によると、マクドナルドは24日までに台湾で現地法人による直接経営方式をやめ、他社とライセンス契約する考えを明らかにした。台湾では1984年に店舗展開を始めたが、経営権取得について軍高官一族が絡む「不思議な動き」があったとして注目された。当初の経営陣主力は不正があったとして93年に解任され、米国本社が直接、台湾での業務を管理する方式に切り替えられた。

 台湾マクドナルドは1984年1月28日に台北市内で1号店を開店。現在は約350店舗を展開している。台湾外食界には完全に溶け込み、さらに折に触れて従業員が「メード姿」などで接客するなど、話題を呼ぶ演出でも人気を高めた。

 今回の経営方針の転換は、台湾では「激震」と受け止められ。商業週報は、マクドナルドが全世界的な客離れに直面しているとして、これ以上の急速な店舗数拡大が望めない台湾ではライセンスを売却して、現金化することを選択したとの見方を示した。今後の具体的スケジュールは不明。ライセンスを取得した企業がマクドナルド店舗を経営することになる。

 マクドナルドは1970年代後半に、東南アジアへの進出を本格化させた。台湾マクドナルドのでライセンスを取得したのは、それまで米国でソフトウエアの技術者を務めていた孫大偉氏らだった。孫氏はシンガポール人の友人のロバート・クアン氏がシンガポールにおけるマクドナルドの代表権を得たことに刺激されたという。

 孫氏はマクドナルドに対して交渉を申し入れたが、マクドナルドはすでに、台湾の食品関連最大手である統一企業(本社・台南市)と契約交渉をしていたので交渉を拒否した。

 ところが、台湾政府は統一企業にマクドナルドの営業を許可しなかった。マクドナルドは統一企業との提携を断念。孫氏が改めて交渉し、兄2人とともに米マクドナルドと合弁会社を設立して、台湾におけるマクドナルド店舗展開を行うことになった。政府の許可もおりた。孫氏の父親が台湾の軍高官だったことから、台湾マクドナルド経営を巡る「逆転劇」はさまざまな憶測を呼んだ。

 台湾でのマクドナルド展開は極めて順調に進展したが、経理や土地ころがしで不正があったとして、米マクドナルド社は93年、孫氏一族を台湾マクドナルドの経営陣から排除した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) aoo3771 /123RF.COM)