上海の有力紙「新民晩報」は19日付で、日本の武器輸出は問題点が多く、順調に進むとは思えないと主張する論説を掲載した。個別の武器の性能とは別に、部品の汎用性に問題のある場合があり、また売り込みについての「ソフトパワー」も有していないと主張した。

 安倍政権が武器輸出に力を入れ出した理由としては、これまでは自国用のみに武器を開発してきたため、市場が小さいことから極めて高価になってしまったと紹介した。

 陸戦用兵器としてまず、「89式小銃」と「96式自動てき弾銃」を紹介。操作が容易で命中精度が高いなどの長所はあるが、ロシア製に比べ故障率が高いなどの問題があり、競争力は強くないとの見方を示した。96式については、同種の兵器への需要そのものが大きくないと指摘した。

 「10式戦車」など重火器については、「ぎりぎりの設計」をしており、輸出の際には相手国の要求で改造する余地があまりないことが、大きなネックになると指摘。さらに、各型車両の部品が互換性に乏しいことも、輸出の障害になるとの見方を示した。

 航空機については、大部分は米国製のライセンス生産と指摘。国産機として「P-1」哨戒機は英国への売り込みを図っているが、英国はそれほど興味を持っているわけではないと主張した。

 同記事は、日本製武器で輸出競争力が最も大きいのは船舶分野と主張。とくに「そうりゅう」型潜水艦は静音性や攻撃能力で「突出」との評価があり、オーストラリアやインドが導入を検討していると紹介。しかしライセンス生産が念頭で、日本でなら3年の時間と6億ドル(約737億円)の費用で建造できるが、国外生産の場合、時間も費用も4倍にもなってしまう点が問題と主張した。

 同論説は、日本には武器の輸出や技術の国外移転の経験がなかったと指摘。豊富な経験を持つ欧米企業が複数の国に対して売り込むための大規模な「営業部隊」を擁しているのに対し、日本の企業は自衛隊という「唯一の顧客」を相手にしてきたと論評し、武器輸出のための「ソフトパワー」を得るには、相当に長い時間を必要とすると指摘した。(編集担当:如月隼人)(写真は新民晩報<電子版>同記事掲載頁のキャプチャー)