M&Aキャピタルパートナーズ <6080> は、拡大が続く国内M&A市場で独自の手数料体系で存在感を発揮し、過去最高収益を更新し続ける成長を続けている。4月30日に発表した2015年9月期の中間決算は、売上高12.69億円(前年同期比17.8%増)、経常利益6.55億円(同13.9%増)と2ケタ成長となった。同社代表取締役社長の中村悟氏(写真)は、「昨年12月に東証マザーズから東証1部に上場市場が変更になったことで、M&A相談案件が増加、また、コンサルタントの採用も順調に進み、業容の拡大に弾みがついている」と語っている。

 今中間期のM&A成約件数(累計)は23件と、2四半期累計での最高の成約件数と肩を並べた。同社のM&A仲介手数料は、着手金・企業価値算定・月額報酬など検討段階で必要となる手数料が無料、相手先と条件面含めた基本合意を締結するまで一切の費用がかからない。また、成約時の手数料率も株式価額に対する手数料率を採用するなど、一般に行われている「着手金などの課金、かつ、負債を含む総資産に対する手数料率」とは一線を画し、「納得性が高い手数料体系」として評価されている。

 コンサルタント数は26名で前年同期比4人増。今期をスタート年度とする3カ年計画で、「コンサルタント数の平均年25%増、成約件数を平均年20%増」を目標に業容の拡大を図っている。中村社長は、「現在は年間M&A市場における当社のシェアは1%にも満たず、当社のユニークな手数料体系についても認知が行き届いていないところがあります。ただ、東証1部上場を機に、当社が開催するセミナーへの企業オーナー様の来場者数は約2倍と大きく伸び、当社にM&A仲介の依頼をいただく件数も伸びています。また、過去約3年間にわたってコンサルタントの離職率はゼロで、採用面談数も増加しています」と、3カ年計画の順調な進捗に自信を示す。

 現在、国内企業の社長の平均年齢は約59歳となり、かつ、社長が60歳以上の企業において51.5%が「後継者がいない」という状況で、企業の後継者問題は深刻化している。昨年の事業清算・廃業2万4000社のうち「後継者がいない」ことを理由に挙げた企業は約7割に達する。中村社長は、「資本の承継という観点で考えると、親族や役職員への承継、株式公開、M&Aによる第三者への承継という3つの方法しかありません。親族や役職員への承継では、そもそも後継者がいない問題があり、また、負債の個人保証の問題など引き継ぐ側の抱えるリスクがあります。一方、株式公開を行っても、実際にオーナーの持ち株が減少する比率は少なく資本承継につながらないケースが一般的です。そうなると、M&Aがオーナーにとっても従業員にとっても、魅力ある選択肢として浮かび上がります」と語っている。

 同社では、今後、全国のオーナーを対象として事業承継におけるM&Aの検討を呼び掛けるなど地方への知名度浸透に力を入れる。6月24日にベルサール東京日本橋で開催する「経営者のためのM&A活用セミナー」(参加費無料・事前登録制)には、エイチ・アイ・エス代表取締役会長の澤田秀雄氏の特別講演の他、実際に会社を譲渡したオーナーの体験発表など、M&Aの具体的な活用事例を紹介する。従来は関東圏を中心に呼びかけていたセミナーへの参加案内を、全国に広げている。

 中村社長は、「今期は3カ年計画のスタートの年。非常に良いスタートになりましたが、これまで同様に、私どもから提案するアウトバウンドを積極的に推進するとともに、セミナーやWEBを通じてお客さまの方から申し込みをいただくインバウンドの成長も加速させて、さらに多くのお客さまと接点を持つようにしていきたい」と語っている。

 今通期の業績予想は、売上高18.65億円(前期比11.9%増)、経常利益8.44億円(同4.5%増)と期初予想を据え置いたままだが、すでに第2四半期の累計で売上高の進捗率は68.1%、経常利益は77.7%に達している。「M&A業務は着地するまで、結果がわからない部分があるため、決算見通しは保守的にしている」(中村社長)としているが、業績の進捗率から判断すると、期初予想には増額の期待が十分に持てるところだ。(編集担当:徳永浩)