2月ごろから、「洗浄機能付き便座」、「電気炊飯器」など、来日した中国人旅行客の「大量購入」が目立つようになった。このところは、日本製の包丁が「爆買いトレンド」の対象になっている。

 中国の大手ポータルサイト「新浪網」は5月になり、「日本の包丁が中国人旅行客に大人気」、「日本の刃物を争って購入」と紹介する記事を発表。老舗百貨店の銀座三越(東京都中央区)の売り場関係者の話として、特に注目を集めているのはセラミック包丁/ナイフと紹介した。人気の商品は、包丁、ナイフ、皮むき器の3点セットという。

 さらに、鉄製の刺身包丁、菜刀、中華包丁、牛刀などの高級刃物も売れている。価格帯は2-3万円程度だが、14万円以上の品を購入した中国人もいたという。

 セラミック包丁は、自家用だけでなく親類や知人などへのプレゼント用に、高級包丁は、裕福層が自家用に購入する場合が多いとみられている。

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◆解説◆
 日本刀の例を持ち出すまでもなく、日本は「刃物文化」が発達した国と言ってよいだろう。調理に用いる刃物も、用途に応じてさまざまな形状の物が考案された。「魚関係」の名がついているものだけでも、「たこ引き」、「ふぐ引き」。「うなぎ割き(名古屋型、京都型、大阪、江戸型)」、「どじょう裂き」、「鱧(はも)しめ」、「鱧切り」などさまざまなものがある。

 明治期以降は、さまざまな洋包丁、そして中華包丁も普及した。

 戦後には、さびる心配があまりないステンレス包丁、さらに1980年代からはセラミックナイフ/包丁も使われるようになった。日本の調理用刃物は、「手入れをそれほど気にする必要のない、よく切れて便利な品」から「入念な手入れが必要だが、最高の使い勝手を示してくれる品」まで、ラインナップが極めて充実していると言ってよい。

 訪日中国人の「日本製品購入」現象は、数年前には始まっていた。クルーズ船による日本旅行が人気を集めたが、航空機利用と違って冷蔵庫や洗濯機などの大型家電を持ち帰るのに便利であることが理由だった。

 最近の特徴は、小型家電や薬品、さらに上記記事で指摘された刃物類など、比較的小型の商品への関心が高まったことだ。自家用だけでなくプレゼント用に便利であることや、中国の量販店は単価の高い大型商品に力を入れる余り、小型商品の品揃えがそれほど充実させていないとの指摘がある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)