中国の小売・サービス業関係のニュースサイト「聯商網」はこのほど、大丸松坂屋百貨店執行役員の吉川辰司氏が講演で、「日本式サービスの起源は中国にある」と述べたと紹介した。中国では「日本にある物や文化は中国から伝わった」との主張が目立つようになった。

 ただし、「起源はわが国」と強弁して自己満足にひたるのではなく、日本が中国から学んだ成果を忘れず、場合によっては大きく発展させたことを評価し、さらに自らの反省材料にすることが多い。

 吉川氏は、浙江省杭州市で開催された小売業者の大会で講演を行った。聯商網によると、吉川氏はまず中国人の高級品購入について、海外での購入の割合が増加し、自国内での購入の割合は減少していると指摘。

 原因としてまず(中国国内で購入すると割高となる)価格問題、訪問先国の査証発給の緩和などを挙げた上で、これらは小売業者が直接関与できないと指摘。逆に、小売業者が自ら積極的に取り組める分野として品揃えやサービスを挙げた。

 記事が最も注目したのは「サービス」についての説明で、特に「日本式サービスは実際には中国の荀子の理念にもとづく」との言葉に注目。吉川氏は日本人の考え方として「企業は、お客様による、さらに(企業が)社会貢献で得ることのできた信用により利益を獲得している」、「顧客至上主義は日本式サービスの信念」と続けたという。

 具体例としては「店内のすべての従業員が笑顔でお客様にご挨拶をする。お客様が商品を買わないからといって、態度を急に変えるようではいけません」と説明したという。

 吉川氏は、「顧客の評価」の重要性を強調。評価されれば次の来店につながり、口コミで新たな顧客を獲得することになる。店にファンがつけば、利益は拡大し、利益が拡大すれば従業員の報酬も向上し、企業としても長期にわたる安定した利益が保証されることになると論じたという。

**********

◆解説◆
 記事は「荀子」と「日本式サービス」の関係については、「君は船なり、庶人は水なり、水はすなわち舟を載せ、水はすなわち舟を覆す」、「千人萬人の情は、一人の情是なり」などの言葉が考えられる。

 前者は統治者の心構えを説いたものだが、現代では企業管理や企業と顧客の関係を考える上でも有益との指摘がある。後者は、「多くの人の心をとらえるには、まず1人ひとりの心をとらえねばならない」との内容で、「すべての顧客を大切にせねばならない」との考え方に結びつく。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) aimy27eb /123RF.COM)