中国メディア・環球時報は3月30日、中国の製造業は画期的なアイデアを形に変えるイノベーション力とともに、日本の製造業が持つ「匠の精神」に学ぶ必要があるとする、中国社会科学院栄誉学部委員で日中関係専門家の馮昭奎氏の評論文を中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上に掲載した。

 文章の中で馮氏は、李克強首相が今年の施政報告において、他人とは異なるアイデアを形にする人びとを指す「創客」という言葉を用いたことを紹介。政策によって彼らを奨励し、「対応する技術が存在しない既存ニーズ」、「現時点でニーズが存在しない既存技術」の問題解決を通じて新たな市場や生活ニーズを創造することが必要であるとした。

 同時に、高次元化する中国消費者のニーズを満たすためには、日本の「匠の精神」が必要であると説明。「メイド・イン・ジャパン」が消費者を引き付ける理由として、メーカーが消費者の立場でしっかり市場調査を行っていること、辛い研鑽に長年耐え抜いてきたこと、たゆみない精巧さへの追求によって製品の品質を高めていることを挙げ、「創客理念」と「匠の精神」の両輪があってこそ中国の持続的発展が可能であるとした。

 この文章に対して、中国のネットユーザーは「日本からは学ぶべきものがまだまだたくさんある」、「日本の仕事に対する畏敬の念は学ぶべき」、「市場調査の重要性を論じているね」、「どの業界にも匠の精神と創客が必要だ」、「日本の家づくりは作業が数十に分かれていて、しかもどの工程もものすごくプロフェッショナルなんだよね」といったコメントが寄せられた。

 一方で「わが国の製造業はそのコストに耐えられない」、「民族の特製が違うから、これは学びきれないと思う」、「日本の製造業はまさに消費者のニーズにぴったり沿わなかったから疲弊しだしたのではないか」といったネガティブな意見もあった。そして「みんなが匠の技術をリスペクトし、商人が匠を貶めなくなってこそ、中国に匠の精神が芽生えると思う」という感想を残すユーザーもいた。

 素晴らしいアイデアがあってもそれを形にする技術がなければ意味がない。素晴らしい技術を持っていても、それを消費者のニーズにマッチさせなければ宝の持ち腐れだ。目先の利益しか考えず無計画に模倣をする時代は終わりを迎え、中国の製造業においてもより頭で考え、手を動かす企業が生き残る時代が到来しつつあるようだ。(編集担当:近間由保)(イメージ写真提供:123RF)