シチズングループの中国子会社「西鉄城精密(広州)有限公司」がこのほど、工場を閉鎖すると通知したことについて、中国メディアの前瞻网は20日、「中国の製造業が直面している苦境」について論じる記事を掲載した。

 記事は、シチズン側と従業員の協議の結果として、シチズンが退職金のほかにさらに1カ月分の給与を上乗せした額を支払うことで話がついたと紹介する一方、シチズンの工場閉鎖は「中国の製造業が直面している苦境を反映させた事例である」と論じた。

 続けて、近年の中国ではノキアなどの大企業が工場を閉鎖し、生産拠点をベトナムなど東南アジア諸国に移転させていることを指摘し、「相次ぐ外資メーカーの工場移転によって、中国国内の受託生産工場は困難に直面しており、従業員数が1万人を超えるような大規模な工場ですら一夜にして破産してしまう悲劇は中国の製造業に対する警鐘だ」と論じた。

 さらに記事は、前瞻産業研究院が発表した報告書を引用し、高齢化および人件費の上昇によって中国の労働力に関する優位が失われつつあると指摘し、世界の製造業の拠点が徐々に中国から東南アジアへ移りつつあると紹介。特にベトナムは中国より30%ほど製造業のコストが安いとし、「こうしたなかで中国の製造業は転換を行う必要性に迫られている」と論じた。

 続けて、中国製造業が転換すべき方向性として、「ロボットを活用した自動化による低コスト・高効率の製造業」を挙げ、さらにロボット技術の絶え間ない発展も必要だと主張。さらに、モノを造るだけではなく、「サービス」の思想も取り入れるべきだとし、あくまでも顧客を中心に考え、消費者により良い体験や経験を提供することこそ価値の創造であると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)