日本から中国への米輸出はそれほど多くない。2014年実績で160トンだった。それでも前年の3倍。中国における日本産米の評価は高まっており、需要は今後も増え続ける可能性がある。人気の理由は「安全」、「美味しい」で、中国産米の10倍以上の価格だが「それだけの価値はある」などの声があるという。中国メディアの参考消息などが報じた。

 日本産の米が注目された背景には、ネットショップでの販売があるようだ。全体として扱い量が少ないため、実店舗に置いたのでは、認知度向上の効率が悪くなる。日本産の米を輸入したのは中国の大手食品会社の中糧集団だが、住友商事系で、日本の食品や日用品を多く扱うネット・ショップ「品店(Pinstore、ピンストア)」が扱ったことなどで、まずは「日本製品ファン」の目にとまったようだ。

 ピンストアは良質の品をそろえているが、それでも中国産の米は1キログラム当たり7.5元(約142円)だ。日本産の米は74元(約1400円)だが、人気の商品だ。ピンストアとは別に、一般的な米なら1キログラムあたり5-6元で売っている。日本米は10倍以上の値段で売られているわけだ。

 さらに、インターネットを利用して、日本から個人輸入の形で米を購入する人も増えているという。

 理由のひとつは、中国では土壌汚染が広がっており、農作物も安全ではないとの見方が強いことだ。2013年5月に広東省で行われた調査によると、サンプルとした米の44%で、カドミウム含有量が基準を超えていた。中国では、自分が栽培した米を「危険だ」として食べない農民もいるという。

 中国では、自社が取り扱う米について「安全な水源を使って栽培しました」などと強調する農業法人もあらわれた。その場合も、「日本の品種です。純国産米より安全です」などと謳(うた)う場合がある。

 汚染物質の多寡をほぼ決めるのは土壌や水のはずだが「日本の品種」というだけで、消費者にアピールするというわけだ。「日本の品種ではあるが、汚染が懸念される農地で栽培された可能性がある米」が売られている場合があるという。

 日本米については「中国米とくらべて、ずっとおいしい。値段だけの価値がある」との評価も広まっているという。「安心できる」、「おいしい」ということで、中国では「目玉が飛び出しそうな価格」であるにもかかわらず、日本米のファンは増えつつある。

 中国の米消費量は1年あたり1億2000万トン程度だ。税関によると2014年1-11月に中国は米220万トンを輸入した。うちベトナムからは120万トン、タイからは62.6万トンだった。

 一方、中国政府・農業部によると、2014年1-11月の日本の米輸出量は3777トンだった。記事は「日本は農産品輸出計画の一環として、アジア地域への輸出に力を入れて行く考えだ」と紹介した。

 中国で日本産の米を輸入するには自国政府の許可が必要だ。目下のところ、許可を得たのは1社だけだ。しかし輸入を希望する企業は他にもあり、「申請して3年間も許可を待ちつづけている」という企業もあるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)