中国に住んでいる、もしくは出張で少し長期に滞在するとなると、必ず連れていかれるのが中国版のキャバクラ「KTV」です。「KTV」とは「カラオケ・テレビ」の略で、要するに日本のカラオケ・ボックスなのですが、日本人駐在員などが連れて行かれるのはたいてい、「女性がはべる」タイプの店です。

 最初は「私はあんまり興味もないから」と及び腰な人も、綺麗でセクシーなドレスを身に纏った美しく若い女性が100人近く並んで、「いらっしゃいませー」とやられると大抵はイチコロに。

 そこでハマってしまうのが日本人男性の大多数なわけですが、どうせ遊ぶならばそこの女性にモテたいと思うのが男心。ですが、相手は百戦錬磨の中国人の水商売の女性たちです。強者過ぎて日本人男性が「お金」以外では攻略できないのが彼女たちです。

 水商売の世界でモテるにはお金がモノを言うのは日本も中国も同じですが、露骨さ具合ではやはり中国の方が上だと判定できます。ですが、意外と「お金が全て」でもないのが中国の水商売の世界なので、そこが何とも面白い所です。

 中国人女性は、「老い」というものに対して異様な程の恐怖心を持っています。もちろん、女性が「老い」に対して恐怖心を抱くのは世界共通なのですが、筆者が知る限り中国人女性の老いに対する恐怖心はおそらく世界でダントツのナンバーワン。

 お金で対抗できないならば、「若さに関するアンチエイジング術なら何でも知っているよ」と匂わすだけで、モテ度合いは飛躍的にアップします。

 アンチエイジングに効果的な食べ物、運動、メイク術、温泉ウンチク、ヨガ、漢方、整形、ダイエット法、スムージー。ネットで検索すれば簡単に得られる知識でも、日本の技術に対して絶対的な信頼感を持っている彼女達にすれば目から鱗の知識。

 日本語はペラペラでも、「読み書きは苦手」という子が多いので、教えてあげるスタンスで自然に接すれば、チヤホヤされ度は急上昇して、楽しい時間を過ごすことができるようになります。お金で全てが解決するのが中国社会ですが、その肝心のお金がなくても知識があれば楽しい時間を過ごせるようになります。

 日本人女性の何倍も老いに対する恐怖心を抱く中国人女性。それだけ、若い女性の心の中の不安、得体の知れない焦燥感、枯渇感が大きいのだと考える事もできます。

 社会学的な見地からKTVのモテ学を論じると、このように非常に大きなテーマが見えてくるのです。(執筆者:高橋 亮 提供:中国ビジネスヘッドライン)