日本経営管理教育協会が見る中国 第335回--下崎寛(日本経営管理教育協会会長)

● 2016年1月から運用開始

  2013年(平成25年)5月にマイナンバー制度(国民背番号制度)の法案が成立し、2015年(平成27年)10月に各人に12ケタのマイナンバーが付与され、2016年(平成28年)1月から社会保障・税の運用に利用されることとなっている。

  アメリカをはじめ先進国でこの国民背番号制を採用していない国は日本だけといわれていた。日本においては、この国民背番号制がなかったために社会保険の管理で混乱を極めていたわけであったが、ようやく一元管理が行えるようになったわけだ。

● 税金と社会保険の一体管理へ活用

  マイナンバー制度により、個人の情報管理が強化されることとなる。

  まず、税金の管理である。今までは個人の税の管理において、カタカナ表記と漢字表記の整理が難しかったり、転居等で同一人であるが2つの住所があったりと、個人情報の正確な管理ができなかった。今回の制度によって個人の情報が固有番号により正確に把握できるようになることから、個人の収入の計上漏れ、所得の申告漏れ等が税務当局で完全に捕捉できるようになる。

  次に、社会保険の強制加入である。現在では、法人については社会保険が強制加入となっているが、中小企業においては、社会保険の負担等を考慮して加入の強制はされていなかった。しかし、今回の制度で個人の管理番号とともに法人においても管理番号が一元化されて管理されることにより、中小企業の社会保険の強制加入が強化される。

● 日本にいる外国人や法人も要注意

  留学生をアルバイトとして雇っている場合、週28時間を超えると違法就労となるが、中小企業ではその時間管理をいい加減に行っているのが実態である。しかし、平成28年から日本に住所を有している外国人にもマイナンバーが発行され、給料もそのマイナンバー毎に管理されることとなる。したがって、永住者、日本人の配偶者等以外の家族滞在等でアルバイトしている外国人についても不法就労のチェックが厳しくなる。

  さらに、外国人の経営する会社も要注意である。会社も管理番号が一元化されることから、外国人が経営する会社も社会保険の加入が強制される。

  併せて、平成24年の入管法改正により、外国人のビザ更新の場合、その外国人が会社に雇用されている場合には社会保険証の提示が求められるが、現在は提示できないことで更新が不許可とされることはない。しかし、マイナンバー制度が施行されると在留資格の更新時に社会保険証が必要要件とされる可能性が高い。また、国民年金の負担も強制されることとなることから、外国人もマイナンバー制度には要注意である。。

  写真は東京入国管理局。(執筆者:下崎寛・日本経営管理教育協会会長 編集担当:水野陽子)