現在、ホーチミン市では300社余りの企業が日本食レストランに投資しており、このうち約200社が日系企業または日本人の投資によるものとなっている。地場企業も同事業への投資を行っているが、成功している企業は数少ない。

  日系企業が日本食レストランへ投資する場合、中小企業の場合はベトナム人から名義を借用する形で、大企業はフランチャイズ形式により事業を行っている。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、今後飲食関連事業における外資規制が緩和されれば、投資は更に増加していくものと見込まれている。

  こうした中、ホーチミン市では地元の人が開業した屋台形式の日本料理店がブームとなっている。都市部の若者やビジネスマンにとって日本食は、味が良くヘルシーで、懐にも見合っているとして人気が高い。また、高級レストランよりも屋台の開放的な雰囲気での飲食を好む傾向にあるという。

  各種屋台で賑わう同市タンビン区チュオンサー通りで、9月下旬に「ハハスシ(Haha Sushi)」の2号店がオープンした。同店の来店客1人当たりの飲食代金は平均12万VND(約610円)。「ハハスシ」は7月に1号店を開業しており、5年以内に同市内で20店舗の展開を目指している。

  ビンタイン区ハンサイン交差点近くにある「ベトスシ(Viet Sushi)」は、1か月ほど前に開店した。同店では、料理を1品1万8000~8万9000VND(約91円~450円)で提供している。店長のチュオン・フンさん(男性・27歳)は、日本食レストランで日本人料理長のもと、4年修行を積んだ。更にフンさんは、東京の魚市場に勤めて知識と経験を積んだ後、ベトナムで寿司屋をオープンすることを決意した。路上屋台のベトナム人板前は、フンさんのように市内の日本料理レストランで長年修業を積んでから独立するケースが多いという。

  ホーチミン市ではこのほかにも、◇グエンバンクー通り(5区)、◇チャンカインズー通り(1区)、◇ソービエットゲティン通り(ビンタイン区)、◇ゴタットトー通り(同)などを中心に、寿司屋台が相次いでオープンしている。一方、サービスやメニューの質が低く、数か月から1年程度で閉店するところも少なくない。寿司屋台ブームが長続きするかどうかは、ベトナム人の味覚に合わせたメニューの提供、サービスやメニューの質にかかっている。(情報提供:VERAC)