アズビルが提供する住宅用全館空調システム「きくばり」の電子式エアクリーナについて、日本電機工業会が定める判定基準に則った性能試験の結果、PM2.5を99%除去できることが実証された。アズビルでは「きくばり」について、実際の住宅にて微細な粉じん除去に関する検証実験を行い、高い集じん効果があることを発表しているが、今回、改めて第三者機関による検証によって、その高い集じん効果が確認された。

 アズビルのホームコンフォート本部事業開発部マーケティンググループ係長の田中裕造氏(写真)に、今回の検査結果の意義と、今後の「きくばり」の展開について聞いた。

――今回、日本電機工業会の自主基準「家庭用空気清浄機の微小粒子物質(PM2.5)に対する除去性能試験及び算出方法」(HD-128)に基づく第三者機関による試験で、「PM2.5を99%除去する」という検査結果が出たということですが、この意義は?

 日本電機工業会の自主基準では、「0.1ミクロン(マイクロメーター)から2.5ミクロンの微小粒子物質を32平方メートル(約8畳)の密閉空間で99%除去する時間が90分以内であること」を、PM2.5の除去性能として測定します。90分間では、PM2.5の大半は自然減衰することができず、また、一般的なろ過式フィルタ(平均捕集率76%)を使っても99%除去はできないことが分かっています。

 電子式エアクリーナを搭載した「きくばり」は、微小粒子物質(PM2.5)に対する一定の除去性能を有し、「0.1マイクロメーター~2.5マイクロメーターの粒子を99%除去する」という結果が得られました。

 これまでも「きくばり」では、電子式エアクリーナの強力な粉じん除去性能をアピールしてきましたが、今回、改めて「PM2.5を99%除去できる」ということが確認できたため、お客様により安心できる空気環境を提供できると思います。また、同試験は市販の空気清浄機でも行われているものなので、比較検討させる上でのひとつの情報提供につながると思います。

――「きくばり」については、2013年3月に、「実際の住宅で使用した状態でも0.7ミクロン以上の粉じんを92%除去できた」と発表されていますが、その検証結果と、今回の試験の結果とは、何が異なるのですか?

 「きくばり」では、実際の暮らしで当たり前にある扉の開閉や人の出入り、24時間換気などによって、常に新たな粒子が入ってくるという状況下において、どの程度、空気中の微小粒子を除去できるかが大事であると考え、実証研究を実施しています。神奈川県・藤沢市の「空気と暮らしの研究所」には実験住宅2棟を建て、「きくばり」と一般のルームエアコンとの比較実験を行っています。その一環として室内の空気中に含まれる粉じん量の計測を実施しています。

 この実験住宅において、単位容積の空気(1リットル)あたりの粉じんの数を数えた結果、外気で計測された粉じんの数に対し、「きくばり」を設置した住宅で測定された粉じん数を比較した結果、92%の粉じんを除去できました。

 一方、今回の実験は、一般の消費者に分かりやすいよう日本電機工業会の基準に基づき、「密閉空間」での効果を調べたもので、実使用空間での結果ではありません。その点で、単純に比較できるものではありません。

――「きくばり」が空気をきれいにできる理由は?

全館空調システム「きくばり」には冷房、暖房、空気清浄、24時間換気、除湿の5つ機能があります。「きくばり」が提供する全館空調という考え方は、24時間365日、常に心地の良い空気を家中の全ての空間で実現しようとするものです。24時間稼働する空調システムによって、壁や床まで快適な温度を保てますので、ルームエアコンのように風が当たる肌寒感・ほてり感がなく、床や壁から暑さ寒さが伝わってくるということもほとんどありません。

 そして、家じゅうのの空気を循環させる際に、電子式エアクリーナで空気を綺麗にしています。空気中の粉じんをイオン化して帯電させ、その後に静電気の力によって集じん部に吸着させるという仕組みを使っているため、粉じんの捕集効率がよく、目詰まりもほとんどありません。1時間で最大3~5回、家じゅうの空気を綺麗にできるので、室内の浮遊粉じんの量は減ります。


 「きくばり」は、14年ほど前から室内の空気質にこだわって、業務用の電子式エアクリーナを家庭用に導入しています。空気清浄効果は、その当時から高い評価をいただいていましたが、最近は報道などで「PM2.5」が取り上げられるケースが増え、空気清浄機能に関する問い合わせも増えています。

――「きくばり」の今後の展望は?

 2013年12月に新発売した床面積40坪以下の向け「きくばりfシリーズ」は、電気代の削減につながる省エネ機能を評価していただき、販売も順調に進展しています。今後もお客さまの声にお応えできるよう、サービスの拡充に努めてまいります。

 全館空調に関するお客さまの関心は、時代に合わせてポイントが変わってきています。「ヒートショック」や「熱中症」などが話題になったときには、すべての部屋を均一の温度で保てる特性がクローズアップされました。電力不足で省エネが言われる時には、夏に設定温度が28度でも夏でも快適に過ごせることなど、省エネ効果が注目されました。近年は、PM2.5の話題に関係して空気清浄機能に関する問い合わせが増えています。

 「きくばり」は、常に家全体の空気の快適さを考え、温度や湿度、粉じんの除去など、全館空調にできる機能を一つひとつ見直してブラッシュアップしてきました。空気質や快適さを追及するという「きくばり」の価値は、室温や室内湿度、空気清浄などすべてにおいて心地よさを提供することにあります。

全館空調が一般の住宅にも導入できることが、広くは知られていないという課題があります。実は、室内の空気は1日のうちで私たちが一番大量に摂取しているものです。室内の空気が綺麗で心地よいことは、生活が快適になるばかりか、からだへの負担を和らげることにも大いに効果があると思います。全館空調がもたらす快適な暮らしについて、もっと多くの方に知っていただきたいと思っています。(編集担当:徳永浩)