まず、写真をご覧ください。これは海外の展示会に出展した日本企業がプロモーションを行っている様子を写したスナップです。

 地域物産のセールスキャンペーン、「祭り法被」(まつりはっぴ)で華やかさを演出して、日本製品をPRしようと活動をしている場面です。日本国内で行うイベントであればよく見かける風景ですが……。

 実は、中華圏では絶対にやってはいけないこと……。もし、台湾や中国の展示会で揃いの祭り法被姿の日本人を見かけたとしたら、台湾人や中国人はそれを遠巻きに不思議そうに見たり、眉をひそめたり、中には避けて通る人もいるかもしれません。

 法被の背中にある「祭」という漢字は、「弔い」を意味し、中華圏では縁起が悪い言葉なのです。華やかな雰囲気を演出するどころか、まったくの逆効果。自らイメージダウンを演出していることになります。「知らない」ということは実に恐いことです。関係者の方々は誰も気づかずにアドバイスをする人がいなかったのでしょうか。

 海外では「あたりまえ」だと思っていることが、実は「あたりまえ」ではないことがたくさんあります。日本人が良かれと思ってやっていることがその逆だったりすることがあるのです。知ってさえいれば起こさないミスですが、知らないが故に起こしてしまうというコミュニケーションギャップも意外に多いのです。このケースもそういう事例のひとつと言えるでしょう。

 日本の自治体や業界団体が観光フェアや地域物産展など海外の展示会でやってしまいがちなミスです。もし、この原稿を読んだ方で心当たりのある方がいらっしゃったら、ぜひ関係者の方に教えてあげてください。中華圏でプロモーション活動を行うとき、「祭り法被」にはご注意ください。(執筆者:吉村 章 提供:中国ビジネスヘッドライン)