中国政府・環境保護部が脱硫措置を講じていなかったとして、中国五大電力グループすべてと参加企業、その他の一部企業の計19社に罰金など合計4億1000万元(約67億1800万円)を支払わせることを決めた。1回の決定としては、過去最大の金額。企業がデータを偽造して国の優遇措置の対象になる悪質な手口も目立つが、現行規則では罰金額が少ないため、企業側の「違反した方が得」との意識は、なかなか改められていないという。中国新聞社が報じた。

 対象となったのは、中国華能集団、中国国電集団、中国華電集団、中国大唐集団、中国電力投資集団(中電投)の中国の五大電力グループすべてと一部の鉄鋼、非鉄金属、化工会社19社。環境保護部は対象企業に営業日30日以内に、脱硫についての改善方策を提出し、年内に改善を完了させるように命令した。実現できなかった場合には、さらに重い処罰をするという。

 環境保護部は2013年5月以来、多くの電力会社に排気ガスからの脱硫について処罰を繰り返し、処罰の事実を公開していたが、一向に改善されなかった。北京広州環境研究センターの馬軍主任によると、大部分の企業は基準に適合した脱硫装置を備えているが、問題は「脱硫装置を稼働させないこと」という。中国では電力会社が一定基準の脱硫実績を満たした場合、補助金や電力料金面での優遇措置の適用対象になるが、馬主任「データを偽造して、補助金をだまし取ったり優遇の適用を受けている例がある」と指摘した。

 環境保護部が電力会社などに支払を求める4億1000万元には、企業側が不正に取得した優遇措置分も含まれる。

 中国では石炭火力発電が主流だが、馬主任によると、脱硫技術は1970-80年代から導入されており、技術面はすでにかなり成熟している。中国は2006-10年を対象期間とする第11次五カ年計画期に脱硫施設の完備が特に強調され、優遇制度も始まった。

 馬主任は「データ偽造に対する罰金はたったの5万元。低すぎる」と指摘した。脱硫措置をきちんと講じた場合のコストは1日当たり10万-20万元であり、馬主任は、法律面の不備が企業の違反を横行させているとの見方を示した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)