バイオ製薬ベンチャーのアンジェスMG <4563> (東マ)の株価は5月21日の直近安値330円から切り返しの展開となり、6月12日には594円まで急伸した。5月安値で底打ちを確認して強基調に転換したようだ。進行中のプロジェクトは順次製品化に近づいている。成長の第2ステージ入りを評価して出直りの動きが本格化しそうだ。

  99年設立(04年現社名に商号変更)の大阪大学発バイオ製薬ベンチャーである。遺伝子医薬(遺伝子治療薬や核酸医薬など)および治療ワクチンなど次世代バイオ医薬品に関する研究開発を中核とした事業を展開している。08年4月からは難病のムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の国内での販売を開始した。

  虚血性疾患治療剤「コラテジェン」(HGF遺伝子治療薬)については臨床の最終段階に入り、米国で国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施予定だ。第一三共<4568>に対しては、末梢性血管疾患および虚血性心疾患分野の国内独占的販売権を付与する契約を締結している。契約に基づいて開発の進捗に伴う事業収益を計上し、国内において上市された際には売上高の一定率をロイヤリティとして受け取る。同様に田辺三菱製薬<4508>に対しては、末梢性血管疾患を対象とした米国における独占的販売権を付与する契約を締結している。

  14年5月には、虚血性疾患治療剤「コラテジェン」によるリンパ浮腫治療薬の臨床開発が、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択された。助成金は来期(15年12月期)に受領する予定で、6月6日には交付予定額が約79百万円に確定したと発表している。

  6月12日には、虚血性疾患治療剤「コラテジェン」の重症虚血肢を対象としたグローバル第Ⅲ相臨床試験の実施にあたり、米国クインタイルズ社と治験業務の委受託契約を締結した。米国クインタイルズ社は世界最大のCRO(医薬品開発受託機関)であり、14年1月に覚書を結んで準備を進めていたが、正式な契約の締結に至ったとしている。

  核酸医薬「NF-kBデコイオリゴ」を用いたアトピー性皮膚炎治療薬については、塩野義製薬<4507>と共同開発を進めているが、14年5月に開発戦略の変更を発表した。現行の製剤については第Ⅱ臨床試験に進まず、臨床開発の成功確率を高める目的で新たな製剤技術の検討を行うとしている。

  今期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(2月7日公表)を据え置いて、事業収益(売上高)が7億50百万円~8億50百万円、利益は営業利益、経常利益、純利益とも24億円の赤字~26億円の赤字としている。虚血性疾患治療剤「コラテジェン」の国際共同第Ⅲ相臨床試験が本格的に始まるため、研究開発費が大幅に増加して赤字が拡大する。ただしムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の販売数量増加、および提携企業からの契約一時金の計上などで増収見込みだ。

  虚血性疾患治療剤「コラテジェン」など進行中のプロジェクトが順次製品化に近づいて、研究開発の第1ステージから商業化に向けた第2ステージに入ったとしている。中期的には「遺伝子医薬のグローバルイノベーター」を目指している。

  株価の動きを見ると、5月21日の直近安値330円から切り返しの展開となり、ほぼ一本調子に水準を切り上げて6月5日には500円台を回復した。そして6月12日には前日比56円(10.41%)高の594円まで急伸している。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。5月安値で底打ちを確認して強基調に転換した形であり、出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)