セゾン投信は2014年1月29日、東京・青山で「2013年事業報告及び第7期運用報告会」を開催した。同社代表取締役社長の中野晴啓氏(写真)は、2013年を振り返り、「2007年の創業以来、愚直に訴え続けてきた長期分散、積み立てによる生活者投資という考え方が実り、第7期末(2013年12月10日)時点で運用するファンドの純資産残高が800億円を超えました。残高増によって念願であった赤字経営からの脱却できる状況になってきたため、これから新しい成長戦略に取り組み、成長を加速させたい」と新年度に向けた抱負を語った。

 「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、第7期(2012年12月11日-2013年12月10日)の期中騰落率は36.56%(基準価額は8314円が1万1347円に)。「上昇のうち、約3分の2が為替の影響、約3分の1が組み入れている株式ファンドの影響」(運用部ポートフォリオマネージャー瀬下哲雄氏)。期中に株式ファンドが値上がりしたことを受け、株式と債券の運用比率が50対50に近づくよう、株式ファンドの売却と債券ファンドの購入を行うリバランス(投資配分比率の調整)を実施した。

 「セゾン資産形成の達人ファンド」は、第7期の期中騰落率は60.19%(基準価額は7956円が1万2743円に)。「上昇のうち、約5分の3が組み入れファンドの影響、約5分の2が為替の影響」(瀬下氏)。先進国を中心に株式市場が上昇する中、組み入れたファンドが全て上昇し基準価額を押し上げた。期中にリバランスを行った結果、地域別の投資比率は、新興国が30%弱、米国と欧州がそれぞれ25%程度、日本が20%程度になった。ファンドの純資産総額は期中に100億円を突破し、期末には約116億円になった。

 ただ、ファンドの運用成績の好調による利益確定の解約、また、証券優遇税制の終了などによって、2013年12月には通常を大幅に上回る解約が出た。中野氏が「税金に対して想定以上に反応する人が多かった」と振り返ったように、12月の新規設定が約20億円に対し、解約は50億円超に膨らんだ。「ただ、ファンドを解約された方々も利益を出すための解約であって、口座閉鎖を伴わない解約だったので、また戻ってきていただけると思う。1月に入って解約は止まり、NISA(少額投資非課税制度)のスタートもあって、口座の新規開設のピッチは高まっている」と、今後への期待につなげて考えているとした。

 運用ファンドの純資産総額800億円という水準は、中野氏が「収益が黒字化する水準」として掲げてきた目標残高。その目標に届いたことで、「新たな成長戦略を展開し、成長を加速させる」と語った。2014年1月28日現在で、保有口座数は6万4863口座に達し、毎月1000口座程度のペースで拡大しているという。2013年12月に実施した顧客アンケートの結果、30代-40代を中心にした利用者の中で、「将来のための資産形成」を目的に投資しているという回答が88.63%にのぼり、その74%が「定年後の自分の将来のため」という長期の投資計画で投資していることが分かった。

 中野氏は、「じっくりとお金を育てる長期投資家を増やしたいと、直販型で世界に分散投資する2ファンドのみを取り扱ってきた当社の主張が浸透してきた」という手応えを口にした。昨年後半から今年にかけて新規口座開設のペースが上がっていることは、「アベノミクスがカタチを表し、デフレからインフレへと経済環境が大転換してきたことが実感され、投資の必要性に気づく方が増えている」と分析した。

 さらに、「銀行預金から投資への資金シフトを促す点で重要」と位置づけるNISA口座が、1月までに8000件の申し込みを受けたことは、「想定外に大きい申し込みだった」と語った。そして、アンケートでは資産形成を「セゾン投信のみ」で行っているという回答が30%に達していることを引き合いに、「単純に現在の保有口座6万5000件の30%で、NISA口座を1万5000件以上の獲得をめざし、NISAの活用において代表的な成功事例と評価されるように頑張る」と意気込んだ。

 中野氏が、新たな目標に掲げたのは、純資産総額1000億円、口座数8万件。そして、「黒字化の定着が確認できれば、目標とする米バンガード社のようなファンドのコスト削減(信託報酬の引き下げ)、運用部門の強化、お客さまの利便性を高めるためのシステム投資の強化などを具体化していきたい」と語った。また、「自社以外の販売会社へのファンドの提供、確定拠出年金(日本版401k)事業への参入、IFA(独立系ファイナンシェルアドバイザー)の普及活動などを検討していきたい」と、将来的な構想を語った。(編集担当:徳永浩)